お金の無心に伴う心理的な負担やストレス

お金の無心は、する方もされる方も共にストレスのたまるものですが、お金を貸した時点で両者の立場が逆転する傾向があります。借りる側からとってみれば、はじめは頭を下げてお願いすることになるわけですが、いざお金を手に入れた途端、借りた人への返済義務が生じてじゃまな存在になってしまうわけです。

最初は貸してくれたことへの感謝があったとしても、それは一時的なものにすぎません。次第に返済義務の苦しさの方が心に占めるウェイトが大きくなってしまい、次第にあれこれと理由をつけては相手を非難する結果になってしまうわけです。

一方で貸した側からしますと、頭を下げられたからお金を貸したわけなのに、今度は自分が頭を下げて返してもらう立場に代わってしまいます。こちらから連絡して嫌な顔をされながらも、返してもらうように交渉する必要が生じてしまうわけなのです。

「しょうがないから貸してやるか。」の立場から、「しょうがないから返してやるよ。」と言われる立場になるわけですので、貸す側にとっては何のメリットもありません。

貸す側が負担するものには、渡すお金以外にも以下の要素があります。

例えば、100万円を貸してなかなか返ってこなかった場合、何度も催促する手間などを考えると、120万円ぐらいを返してもらわなければ割に合わないわけです。

お金を貸すならあげるつもりで貸すというはよくいわれることですが、これはあげるつもりで貸したなら、たとえお金が返ってこなかったとしても、それにかかる時間や手間は失わないでも済むので、最小限のリスクで抑えることができます。

もちろん、真面目でお金を貸しても大丈夫な人にはいくら貸してもかまいませんが、そのような真面目な人というのは、そもそも友人や知人から借金をするのをよしとしません。たいてい、借りに来た時点でその人はだらしない人ということになりますので、よく見極めて貸す必要があるといえるでしょう。

お金は借りて返したら終わりというわけではなく、それに伴う心理的な負担やストレスが常につきまとうもので、親しい間柄であっても貸し借りはしないようにしましょう。