家族構成が資産形成に与える影響

家族構成はあなたの資産に一番大きな影響を与える要素ともいえます。

母子家庭のケース

例えば、あなたが母子家庭だったとした場合、大黒柱となる父親がいませんので、一般的な家庭と比較すると将来にわたって多大な負担が生じることになります。

子供の頃は生活費が不足することになりますし、進学なども断念せざるを得ないかもしれません。進学を断念することによって生涯賃金に違いが生じてくることになります。また、子供の養育費でも負担が大きい状況のなか、母親は自分の年金などが未払いになってしまうケースも実際に多いです。

結果として、子供が成人してからも、次は母親の扶養をどうするのかという問題が生じてくることになります。
専業主婦の場合、夫がサラリーマンの場合だと年金を払わずにタダ乗りすることができますが、離婚した場合は、母親が自分で年金を払っていかないと将来年金をもらうことができません。

結果的に、子供に老後を面倒を見てもらうことになりますので、母子家庭の子供は一般家庭の父親の役割を代わりをしなくてはいけなくなります。

仮に、離婚した母親の年金が月5万円程度と仮定しますと、母親を扶養するのに毎月10万円以上の仕送りが必要になってしまうわけです。

結果として、父親がいるのといないのとでは、生涯にわたって発生する負担で数千万円以上の違いが生じてくることになるわけです。

結婚と未婚による違い

家庭の資産形成という面でいえば、夫婦共働きの2馬力の方が資産を形成しやすいです。

例えば、夫が700万円、妻が300万円の場合、世帯収入では年収1000万円を超えてきます。

これは夫が単独で1000万円を稼ぐよりも税金面でかなり効率的といえます。夫婦それぞれに給与所得控除がありますので、それだけで103万円程度の控除額に違いがあります。加えて、所得を分散させることにより、税率が低くなりますので、単独で1000万円を稼ぐよりも税金の負担が軽くなるメリットがあるのです。

さらに、夫と妻のそれぞれの両親に資産がある場合、遺産相続の面でも2倍になるメリットがあります。

また、妻が仕事をやめた際でも、配偶者控除や3号年金などの面で多大なメリットがありますので、結婚しているか未婚かによって大きな違いが生じてくることになります。

ただし、男性は結婚すると小遣い制になるケースが一般的ですので、高額な年収があったとしても、使えるお金が極端に制限されてしまうかもしれません。

例えば、年収1800万円程度の場合、税金面などを考慮しても毎月のお小遣いで70万円~80万円程度を確保することも可能ですが、結婚して月3万円の小遣い制になる可能性もあります。毎月の自由に使えるお金が50万円以上は違ってきますので、よほど惚れた相手でなくてはあまりメリットは感じられなくなるかもしれません。

兄弟と親戚の関係

兄弟がいるかいないかでも資産形成に大きな影響が生じるケースもあります。

親が資産家の場合には一人っ子の方が有利ですが、親に資産がなく、生活費にも困っている場合、扶養の問題が生じてきますので、できるだけ兄弟がいた方が有利になるともいえます。

また、兄弟間のなかで一人でも借金ぐせのある人がいた場合、その影響が間接的にやってくることになるので注意が必要です。例えば、兄に1000万円の借金がある場合、親に泣きついてきたとすると、それは間接的に自分へも影響してくることになります。

親が兄の借金返済のため、老後の貯金を切り崩して対応したとすると、親の老後が苦しくなるわけですので、将来的に自分が扶養する負担が大きくなるという結果になります。あるいは、本来もらえるはずだった遺産がなくなってしまうかもしれません。

あるいは、弟がニートになってしまった場合、この負担がかなり深刻な影響を及ぼすことになります。親が亡くなったあとも面倒を見る責任が生じてきてしまいますので、お金のみならず、精神的にも大きな負担となってしまうケースが多いです。

このように、両親や兄弟、あるいは結婚相手や祖父母など、誰かに何等かの問題があれば、その影響は家族全体に影響してくることになります。世のなかには、年収で数千万を稼いでいたとしても、家族に問題があることでまったく資産形成できない人も大勢います。

もし、家族がごく普通の人であったのならば、ごく普通の人であったことに感謝すべきです。ごく普通の家族であること自体が、ある意味、大きな財産であるともいえるのです。